ポリ袋を別注で作るとたくさん作らなくてならないのは何故?

よくお客様から、
「このサイズのポリ袋(お客様のほとんどは「ビニール袋」とおっしゃいます)の欲しいのだけど、そんなに量はいらない」

お見積りをお出しすると、かなりの数量!

これは何故でしょう?

まずは原反はツブツブのものを溶かすところから

原料は「ポリエチレン樹脂」といわれる小さなツブツブのものです。


色物を作る場合はこの時に染料(顔料)を入れます。
これによって色の濃さが変わります。

いわゆる「インフレーション」ってどういうもの?

わたしもこの仕事に携わる前は、ポリ袋ってぺったんこのフィルムを折って作ってるものだと思っていましたし、どのようにできているなんて考えもしませんでした。

工場見学に行って「へー!!!」と思ったもんです。

原料は、押し出し機により熱と圧力でチューブ状になって出てきます。それを風船のよう膨らませ薄く広くします。

手づくりの絵ですみませんが・・・

フィルムの厚みと幅はこの時決まります
(押し出す量と巻き取る速度によって決まるそうです。)…なるほど

この方法はポリ袋(HDPEやHDPE)の場合が多いのですが
PPOPPなどはまた別の作り方になります

こうして何本かの原反というものができます。

一度にどれだけの原反を作るのでしょう?

よくお願いする時、「最低ロットで」とお願いすると

最低2000mくらいでしょうか?
だけど、「できたら3000m以上で…」などと言われたりします。(サイズや色によります)

押し出し機に入れたり巾を決めたりと、一度に機械に入れるためには作業が多く、できたらたくさんの量を作ったりした方がコストは押さえられます。

ましてや、色物となると入れた原料の色が後の商品に着かないようにきれいにしなければいけないので、手間がかかりますので、最低ロットが5000mになったりします。
色物の機械が空くまで順番待ちということもあり納期もかかることになります。
(メーカーとしては、透明は透明専用の機械として使いたいという思いはあるようです)

メーカーさん
メーカーさん

色物の場合、薄い色からはじめだんだん濃い色の商品に移ると、色の誤差が出にくいし、無駄がありません。

濃い色から薄い色に変える時は色が薄くなるまで調整するため、ロスが生じます。

みんな原反から作っているの?

製袋屋さん」と呼んでいる会社は

原反を買ってストックしておいて

製袋(チューブ状の原反をシールしてカットすること)のみをします

こんな感じに、シールをしてカットをします。

この場合、原反を作る作業がないので、納期は原反から作るより早くなります。
原反を1巻使うロットが最低ロットなりますのでロットも上記の原反から作る場合より少なくなります。

但し、よく出る原反のみ在庫として置くので、ポピュラーなサイズは対応できますが


あまり出ない特殊サイズや色物などは、やはり原反から作ることになります。

印刷はいつするの?

印刷のイメージとすれば、一つの袋にペッタンペッタンと印刷しているイメージですが、

印刷には「」と言うものが必要ですね?
その「版」をロール状にして回転させながら、原反の時点で印刷します。
その後、製袋となります。

1枚、1枚印刷できないという事はないのですが、コストがかかります。
(たくさんの色などは難しいです)


たとえば下記の袋

赤いリボンは先に印刷して製袋して作った袋
黄色いマル印は、後から1枚ずつ印刷したものです。
 

作った場合と既製品、どっちが安いの?

これも一概に言えませんが、

しかし、規格品は大量に作りますし、流通が多い場合は、価格競争などにより規格品の方がお安い方が多いです。

あまりないサイズなどは別注で作った場合の方が安いことがあります。
(1号、2号とかのサイズではなく、規格外で既製品がある場合)
しかし、小ロットしか必要ない場合は、既製品を利用した方がいいでしょう。

数量が多く消費する場合、どうしてもサイズがない場合などは一度お見積りをしてみるのもいかがでしょうか?

ポリ袋の製造の仕組みなど

私なりに図形で説明しましたが、おわかりいただけたでしょうか?
手づくり図ですので、違った場合はご愛敬で・・・・